会長挨拶
- 第43回日本ヒト細胞学会学術集会
会長 横尾 隆
(東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科)
皆様
このたび、第43回日本ヒト細胞学会学術集会を主催させていただくことになりました、東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科の横尾隆です。本大会を代表し、心よりご挨拶申し上げます。
近年、医学研究は急速に専門化が進み、それぞれの分野で高度な研究が展開されています。一方で、異なる領域の研究者同士が直接交流し、知見を共有する機会は減少しつつあります。そのような中で、日本ヒト細胞学会は、産科や内科などの臨床医学のみならず、薬理学・生理学といった基礎医学、さらには歯科学、工学、生物学など多岐にわたる専門分野の研究者が集い、学際的な議論を深めることができる貴重な場です。
特に近年、動物実験に関する倫理的規制の強化や、大型動物の価格高騰などにより、新たな創薬や治療法・診断法の開発において、動物実験の実施が世界的に厳しくなってきています。そのような背景の中、ヒト細胞を用いた研究は、安全性や有効性の検証手段としてその重要性がますます高まっています。
このような状況を踏まえ、本大会のテーマを「トランスレーショナルリサーチのヒト細胞学」といたしました。基礎医学と臨床医学の橋渡しを目指し、さまざまな分野で最前線の研究を行っている先生方にご登壇いただき、幅広い視点から議論を深めていきたいと考えております。
本学会が、異なる専門領域の研究者が集い、意見を交わし、新たな知見やコラボレーションが生まれる場となることを願っております。そして、ヒト細胞学の発展が、医学全体の進歩に貢献することを期待しております。
皆様の積極的なご参加と活発な議論を心よりお待ちしております。